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越前フールス和紙 福乃ここ千

越前和紙産地始まって以来の本格両面筆記和紙。
他では手に入らない角文オリジナル開発商品です。

最小ロットは大手メーカーの1/40「250kg〜」

通常、紙を製紙メーカーにフルオーダーするとロット10t〜の発注になります。
“越前和紙 福乃ここ千”の最小ロットは250kg。
大手製紙メーカーの1/40から承ります。
生産コストだけでなく保管にかかるコストなども抑えられます。
ノベルティや、今までロットの問題で諦めていたことを実現します。

オリジナルの透かしを小ロットで実現

古くは江戸時代の藩札、近代では証券用紙や賞状などで培った越前和紙の透かしの技術で、企業ロゴやシンボルマークを透かし込みます。
企業の誇りや威厳を透かしにて表現。
“越前和紙 福乃ここ千”は、透かし入り最高級の筆記専門紙を実現します。

紙厚は用途に合わせて

紙の厚さは60g/㎡〜220g/㎡の間でお漉きします。
ノートや便箋だと90g/㎡前後、ハガキだと180g/㎡前後と、用途によって適した厚さがございますのでご注文の際にご提案させていただきます。

基本は「越前 鳥の子」色

「越前 鳥の子」とは伝統的な越前和紙の色。
淡い黄色味(クリーム)が鶏卵を連想させることから「鳥の子」という名称がついています。
“越前和紙 福乃ここ千”の基本色はこの「越前 鳥の子」ですが、企業カラーなどご希望の色でおつくりいたします。

仕上がりの形は自由自在

仕上がりの形は便箋・封筒・手帳リフィルなど自由自在。
オリジナルな形にも加工できます。
お客様のご希望の形や使用方法などぜひ一度ご相談ください。

越前フールス和紙「福乃ここ千」開発秘話

2006年、東京浅草 ツバメノート社を尋ねた時、渡辺専務がポツリと寂しそうに「昔使っていた紙は(バイキングフールス)は書き心地が良かった。何よりツバメノートのマークが透かし込んであってね、趣きがあったんだよ。」
マーク(ダンディーロール)の透かしは会社のアイデンティティーを示すものであり誇りでもある。

横で社長がニコニコしながら頷いている。
残念ながら合理化の波に飲まれ、製紙会社の合併に伴い機械を廃棄してしまったそうである。
十條製紙製のその紙はもう生産できない。
その後ツバメフールスは大きな機械で生産ロットも多く、何より透かしの金型が大きい機械に合わせて作る為、生産コストに合わず断念。
以降ツバメノートに透かしは無くなった。

私の私考だが、フールス紙とは逆輸入された和紙の竹の簀目であり、1600年~1900年代に輸出されていた和紙を欧州が摸倣したものと思われる。コンケラーレイドなどに見られる、透かし模様はまさに和紙の竹の簀目である。色も越前和紙鳥の子色のほうが古い。紙漉き文化が確立していた日本の和紙。遠い異国の和紙に、素直に評価し品質の高さを摸倣した。
その名残がフールス紙なのであると考える。

福井の文具店として使命のように思えた。
自分にしか出来ないこと、『和紙でノート紙を漉く後世に残す事』を決めた。

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2008年 福井県工業技術センターに、萬年筆くらぶ「フェンテ」でべそ会長から分けて頂いたバイキングフールスを、持ち込み分析した。書き心地の最適条件の検証、指標をバイキングフールスとし、目標値とした。万年筆インクと滲み、平滑、透かし、PH 色 厚み 表裏差など課題の克服に多くの人を巻き込み、行動を起こしてから8年の歳月が掛かってしまった。

2014年11月14日 福井県工業技術センターにて「越前フールス和紙 福乃ここ千」を発表した。千年保存可能なPH7前後の完全中性和紙である。書き心地と千年保存でここ千と名づけた。

昨今の無機質でデジタル(つるつるした)な紙ではなく、適度な平滑(引っかかり)は、書く者に悦びを感じ、和紙独特の風合いを残し、心を和ませ思考の邪魔をしない。和紙の色気を残した。

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谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」(いんえいらいさん)にこんな記述がある。

われわれは西洋紙に対すると、単なる実用品と云う以外に何の感じも起らないけれども、和紙の肌理(きめ)を見ると、そこに一種の温かみを感じ、心が落ち着くようになる。同じ白いのでも、西洋紙の白さと和紙の白さとは違う。

西洋紙の肌は光線を撥ね返すようであるが、和紙の肌は柔かい初雪の面のように、ふっくらと光線を中へ吸い取る。そうして手ざわりがしなやかであり、木の葉に触れているのと同じように物静かでしっとりしている。

上質な和紙に、書くことを愉しみませんか、心を綴る大切な時間にしてほしいと、考えています。

株式会社角文 角谷恒彦